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目指しているもの。

公開日: : 最終更新日:2018/06/25 犬との快適な過ごし方, 行動科学によるしつけ

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ワンちゃんの問題行動のトレーニングについて考える時、

まずこう考えてみてください。

 

「どのようなスキルが不足して問題が生じているのか。」

 

何ができないから問題が生じているのかということです。

逆に言えば、これができれば問題が生じないということでもあります。

 

例えば、、

ワンちゃんが危険な物を咥えている時、自分から咥えている物を出してくれれば、誤食という問題は生じません。

ソファにいるコをどかそうとしたら怒るのなら、飼い主さんのお願いでワンちゃんがソファから下りてくれたら、噛みつかれるという問題は起こりません。

 

ざっくりとした例ですが、このように考えると、トレーニングで教えるべき行動が見えてきます。そしてそこから具体的なトレーニング方法や目標設定・評価方法も考えることができます。

 

 

でもこのような方法だと、

「間違っているということを教えていないから、根本的な解決になっていないじゃないか!」

というお言葉をいただきます。

 

おっしゃっていることが分からないこともないのですが、、

問題行動の根本的な解決とは、具体的にどのようなことを指しているのでしょうか。

 

一般的に「問題の根本的な解決」とは、問題の根本となっているものを取り除くことによって、その問題を解決するということを意味すると思います。

 

ワンちゃんの問題行動の根本となっているものは何でしょうか。

 

心の病や歪んだ心といった、心的な何かでしょうか?

 

それらを治すことが根本的な解決ということ・・・?

 

ではその「心」が問題行動の「根本」となっていると確実に評価することはできるのでしょうか。

またトレーニングが実際にそれら心的なものに働きかけていることを客観的に評価することはできるでしょうか。

たぶんここらへんにたくさんの個人の主観が入ってきます。

確実なことは分からないが、ワンちゃんの行動を見て、想像だけで彼らの心を分析しようとしてしまう事が起こります。

 

問題行動の解決を、すべて“心の治療”と考えると、トレーニングがあやふやなものになってしまう事があります。

個人の想像によってでっち上げられた“心の病”を治そうと、頓珍漢な方法がおこなわれることもあります。

おこなわれたトレーニングに対して適切な評価がされず、ダラダラと効果のない方法が続けられることだってあります。

 

もちろん、心の治療という観点から、恐怖症や不安症にとても効果のある方法が存在しているのは事実です。

私もそれらに属する方法をおこなう事もあります。

でも勘違いしてはいけないのは“恐怖症”や“不安症”に対してといった限定的なものだということです。

 

ドッグトレーニングの世界を見ていると、すべてを心の治療として考える方法は、個人の主観や想像に頼るだけのものがとても多いように感じます。

特に“叱って教える”という方法に関しては。

 

もう一度言います。

 

特に“叱って教える”という方法に関しては。

 

私は、、、

問題行動が起こらず、ワンちゃんが快適に暮らし、飼い主さんも何の支障もなく生活できるのであれば、

そこまでワンちゃんの心を変えようと躍起にならなくてもいいのではないかと考えています。

 

人の心ってそんなに簡単に変わるものでもないですよね。

ワンちゃんも同じだと思います。

 

「心は簡単に変えられるものではない」

体罰を本気でおこなっているドッグトレーナーさんもこのことには気付いているのでしょう。

だから本気で躊躇なくワンちゃんたちを叩きのめすのでしょうね。ここまでしなければ心を変えることはできないと。

それはもちろん治療ではありませんが、“心を変える”ということを目指した結果、そのような方向に向かってしまう危険もあります。

 

この「根本となっている悪いものを取り除く」というような考え方を持つドッグトレーナーさんたちとは、そもそも最初の目指しているものが違うのだと思います。

 

行動療法にもさまざまな考え方があります。

その中には、環境に焦点を当てて、環境側を個人にフィットするように調整する“援助”を目的にしているものがあります。

 

これは問題行動の根本について考えるよりも、今のそのコが快適に暮らすためには何をするべきかを優先的に考えていきます。

今のそのコが、過度のストレスなく快適に暮らすための環境を作る事。

また快適に暮らすために、今のそのコができるトレーニング方法、またそのトレーニングができる環境を作る事。

これは言わばQOLの向上を優先的に目指すという事です。

私のトレーニングに対する考えは、このような発想がとても強いです。

 

巷でよく言われる「それぞれのワンちゃんに合ったトレーニング方法」とは、厳密に言うとこのことを指しているのではないかと思います。

 

またこれは飼い主さんに対しても同じように考えられます。

 

このように環境にさまざまな工夫をすることで、問題行動が起こらず、ワンちゃんも飼い主さんも快適に暮らすことができる状態をまずは目指します。

そしてそれらを続ける事で、ゆっくりとでもワンちゃんの心が好ましい方向に変わっていってくれるようにと考えています。

 

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