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日本獣医動物行動研究会の体罰に関する声明文

公開日: : 最終更新日:2018/03/26 トレーニング方法について, 体罰について

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3月1日、日本獣医動物行動研究会から体罰に関する声明文が発表されました。

 

日本獣医動物行動研究会からのお知らせ。体罰に関する声明文発表について>>>

 

日本獣医動物行動研究会は、伴侶動物の問題行動に対する行動診療の発展や、問題行動治療に関する啓発を目的とした獣医師を中心とする研究会です。

獣医動物行動学に精通した行動診療科認定医の認定もおこなっています。

 

 

 

今回の声明文が発表された経緯には、やはり1月に放映されたNHKのプロフェショナル仕事の流儀というドキュメンタリー番組が大きく影響しています。

 

番組では、飼い主に激しく噛みついてしまう犬たちを、殺処分から救うために、専門的に訓練しているという訓練士が紹介されました。

 

しかしその番組で放映されたものは、何十年も前に行われていた訓練方法、今では行動学全般の学術的な発展によって問題視され行われなくなっていたはずの訓練方法が、さも正当なもののように放映されました。

犬の訓練というものになじみのない方たちは、番組を見て、問題行動を抱えた犬たちを悪とし、体罰が更生させるための唯一の手段、という形に思考を誘導されたと思います。

そして大勢の視聴者がそこで紹介された訓練士を称えました。

 

 

その状況に危機感を覚えたドッグトレーナーや獣医師は少なくありません。

 

 

 

20年以上前の犬の訓練は、プロフェッショナルで紹介されたような、暴力的な方法が主流でした。

当時は、犬たちを力で屈服させ、訓練士に従うしか痛みから逃れる術はないという状況を作ることで、訓練士は犬たちに様々な行動を教えていました。

 

 

 

しかし行動学の発展から、様々な訓練方法が開発され、

その中でも動物福祉を考慮し犬たちに負担のない方法を探すという形で、ドッグトレーニング(犬の訓練)は発展してきました。

 

多くのドッグトレーナーや獣医師の尽力のおかげで今があるんです。

 

ドッグトレーニング(犬の訓練)というものが、

過去どのようなものだったか、

そしてどのような経緯で発展し、

現在どのような方法がおこなわれているか、

 

というところまで取材されていたら、あのプロフェッショナルのような番組は作られなかったと思います。

 

 

 

日本獣医動物行動研究会が発表した声明文の補足資料に、「体罰はなぜいけないのでしょうか」という資料があります。

 

体罰をおこなうことの危険性などが列挙されています。

 

少し難しい言葉も使われていますが、

これらは、個人の経験や価値観だけでなんとなく言っているのではありません。

 

心理学や動物行動学の長年の行動研究に基づいて書かれたものです。

 

過去、私がブログやツイッターで書いている内容も、これに当てはまるものがとても多いです。

 

 

「体罰は心を鍛える」

「体罰をしないとなめられる」

「体罰以外に更生させる術はない」

 

というような個人の考える精神論や教育論から一度離れてもらいたいのです。

 

 

体罰のような嫌悪刺激が、

動物たちにとってどのような意味を持つのか。

 

体罰をすることで、

実際にどのようなことが起こるのか。

 

そこを考えてもらいたいです。

 

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