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体罰は、それをおこなう人をも変えてしまいます。

公開日: : 最終更新日:2018/06/25 体罰について

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もう15年以上昔の話です。

 

私が学生の頃は、犬たちを訓練するのに、体罰やジャーク(リードを激しく引く行為)などがたくさんおこなわれていました。

 

学校の中でも、褒めるトレーニングがおこなわれているすぐ隣の教室では、

激しく何度もジャークされているワンちゃんがいるような状態でした。

 

ドッグトレーニング業界全体を見ても、当時はそれが当たり前の光景だったと思います。

 

 

 

私が通っていたその学校の同級生にある男の子がいました。

彼はドッグトレーニングが大好きで、学校の行事や授業にも意欲的に取り組む男の子でした。

 

就職活動が終わり、卒業も近づいていた頃、

彼は卒業を待たずして、警察犬訓練所に就職をしました。

 

学校に来てデモンストレーションをしていたそこの訓練士にあこがれたようです。

 

その訓練所は犬たちに対して激しい体罰をおこなう所として知られていましたが、ドッグトレーニングというものにまだ深く触れ合っていない学生たちにとっては、「ドッグトレーニングはそういうもの」と映っていたと思います。

 

 

その後は、特に音沙汰もなく、私が卒業したあとに同級生の集まりで聞いた話です。

彼が訓練所をクビになったということを。

訓練している犬を殴りすぎて大きなケガをさせてしまったというのです。

彼は訓練所の所長に泣いて謝ったそうです。

それでも願いかなわずクビになったそうです。

 

 

 

 

だれの責任でしょうか。

 

ドッグトレーニングというものをまだ深く理解していない状態の彼に、そのようなことをさせていた訓練所に心底腹が立ちました。

まだ訓練について自分で判断できないような状態の彼が、体罰を繰り返すことで、犯してしまうかもしれないことを、何も想定していなかったのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

体罰をして相手を必要以上に傷つけてしまう。

 

これは気を付けていれば防げることなのでしょうか。

いいえ。私はそうは思いません。

 

心理学では、行動の強化は当人に意識される必要はないとされています。

(行動の強化とは、その行動をどんどんするようになる、という事です。)

 

本人が意識しなくても、無意識に行動は大きくなっていくのです。

 

叩く力、叩く頻度、叩き方

これらは無意識にでも、どんどん暴力的に膨らんでいきます。

この過程で、動物を叩く行為自体に、快感を抱く人が出てくると私は考えています。

 

 

そこまで理解して体罰をおこなっている訓練士は本当に少ないように感じます。

 

 

普段は攻撃的でない人が、動物を叩くという事を繰り返すことで、

動物に対する接し方がどんどん暴力的になっていき、

「つい、やってしまった」という形で、大きな事故を起こす。

 

ということは十分にありえると思います。

 

 

 

体罰は動物たちの権利を踏みにじる行為です。

 

しかしそのことをいくら訴えようとも、

 

激しい問題行動を抱えている犬たちを悪者と考え、罰を与えているという感覚にいる人たちには、

 

まったく届かないように感じます。

 

それなら代わりに、

体罰をすることでの人間への影響に目を向けてみてください。

 

 

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