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パピー教室で子犬同士をふれあわせる目的は何ですか?

公開日: : 最終更新日:2017/11/15 行動科学によるしつけ, はじめての子犬

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「パピー教室に参加したら、相手の犬に一方的に追いかけまわされ怖がりなコになってしまいました。」

 

昔からよく聞くことです。

 

パピー教室では、子犬同士をふれあわせます。

 

子犬を他の犬に慣れさせるためです。社会化のためです。

 

しかしパピー教室の中には、子犬たちを遊ばせること自体が目的となってしまい、性格の合わない子犬同士でもとにかく遊ばせようとするところがあるようです。

 

その結果、怖い思いだけして終わってしまったということが起こっています。

 

 

パピー教室で子犬同士をふれあわせること。

子犬を他の犬に社会化させること。

 

これらを学習理論の観点から考えたいと思います。

 

 社会化のできた犬とは?

まずは「他の犬に対して社会化のできた犬」とはどのような行動をする子犬か、という事を考えましょう。

 

他の犬に近寄っていく子犬

プレイバウをして他の犬を遊びに誘う子犬

周りに他の犬がいても気にしないでいられる子犬

他の犬が近づいてきても怒らない子犬

etc

 

これらの行動を示す子犬は「犬に対して社会化のできた犬」と呼ぶことができると思います。

 

それならそれぞれの好ましい行動を増やし、好ましくない行動を減らしていくと、その子犬を社会化させることができるのではないでしょうか。

 

このように行動を1つ1つ考えていくのが学習理論での考え方の特徴です。

 

もちろんこのような考え方が全てではないことをご理解ください。

 

しかしこの考え方は、子犬を社会化させるための方法を具体的に考えることができ、その効果を客観的に評価することもできるため、とても実践的な考え方だと思います。

 

 

それでは1つずつ考えていきましょう

 

 他の犬に近寄っていく子犬

他の犬に近寄るという行動を増やします。

「他の犬に近寄ったらうれしいことが起こった」ということを子犬が経験すると、その子犬はどんどん他の犬に近寄っていくようになるでしょう

ではうれしいこととはなんでしょうか。

オヤツが出てくること?

他の犬に近寄るとオヤツがもらえた・・・・

いいえ。それではうまくいかないでしょう。

なぜ子犬は他の犬に近寄るのでしょうか。遊びたいから?気になるから?そこを理解すればおのずと何がその子犬にとってうれしいことかが分かると思います。

もしも怖がりな子犬が「他の犬に近寄ったら激しく飛びつかれた」という事を経験したら、その子犬は他の犬に近寄らなくなるでしょう。それでは社会化になりませんね。

 

プレイバウをして他の犬を遊びに誘う子犬

プレイバウをして遊びに誘うという行動を増やすには、「遊びに誘ったら相手と楽しく遊べた」ということを経験することで、その子犬はプレイバウをどんどんするようになるでしょう。

重要なのは楽しく遊べることです。

楽しく遊べる相手とふれあうことです。

これは相手の犬との相性がとても重要になります。

 

「プレイバウをしたら一方的に追いかけられた」ということをその子犬が経験すると、その子犬はプレイバウをしなくなるかもしれません。それでは社会化になりません。

 

周りに他の犬がいても気にしないでいられる子犬

「気にしないでいる」というのは具体的な行動ではなく状態です。そのため何か別の行動を増やした結果、その子犬が周りの犬を気にしないでいられるようになると考えます。

アイコンタクト?

オスワリ?

別にトレーニングである必要はありませんよ。

これは他のワンちゃんが大好きで少し乱暴なふるまいをしてしまうという子犬におこなうことがあります。

 

 他の犬が近づいてきても怒らない犬

犬に怒るという行動を増やしてはいけません。そのためにはその子犬がどのようなことを経験すると、犬に怒るという行動が悪化してしまうか理解しておく必要があります。

 

例えば「嫌なことをする犬を怒ったらその犬が離れてくれた」ということを繰り返し経験することで、その子犬は近寄ってくる他の犬に対してどんどん怒るようになるでしょう。

また「嫌なことをする相手の犬を怒ってもかまわずしつこくちょっかいを出された」ということを経験しても、その子犬は他の犬に激しく怒るようになる可能性があります。

 

「ガウ!」と子犬が怒ってから、人間が割って入り、子犬たちを引き離しても遅いんですね。すでに怒る行動は悪化しています。

 

その子犬が怒る前に、人間が子犬たちの間に割って入る必要があります。

 

これがとても大切なことなんです。子犬は怒る前に様々なサインを出しています。子犬たちの間に割って入るタイミングを間違えないでください。

 

 

そして大切なことをもう一つ。

 

もしその怒る行動がまだあまり定着していないなら、「他の犬に近寄る」という行動を増やすことで、犬に怒るという行動を減らすことができます。

もちろんこの「近寄る」とはポジティブな方法で近寄るということです。攻撃のために他の犬に近寄るのではありません。それら行動の機能が違います。

 

これを実現するためには、その子犬がポジティブな方法で他の犬に近寄ることのできる環境を、人間が用意してあげないといけません。

 

 

このような感じで、行動を1つ1つ考えて子犬同士をふれあわせていきます。

 

そうすると、初めは怖がって飼い主のそばを離れることもできなかった子犬が他の犬とふれあえるようになったり、他の犬を見ると吠えていた子犬が吠えずにふれあえるようになったりしていきます。

 

これが社会化の第1歩ではないでしょうか。

 

 

 

最後に

子犬同士をふれあわせるのは社会化のためです。目的を間違えないでください。もし子犬の好ましい行動を減らしてしまったり、好ましくない行動を悪化させてしまうなら、初めからフリーで子犬同士をふれあわせないことです。それは社会化のためにならないからです。リードを付けたり、ペットフェンスを使用したりしてふれあわせ方を工夫しましょう。

 

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