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死人テストという行動の捉え方

公開日: : 最終更新日:2016/09/04 行動科学によるしつけ

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近年のドッグトレーナーは、学習理論に基づいて問題行動と向き合います。

ワンちゃんの行動を説明するのに、上下関係やオオカミの群れを持ち出さない所が特徴です。

 

学習理論に基づくとは、心理学の応用行動分析学という学問に基づいて行動を考える方法です。

 

 

死人テスト

学習理論に基づいて行動と向き合うための指標の一つに“死人テスト”というものがあります。

 

応用行動分析学での行動の定義は、「行動とはヒトを含めた動物の行うことのすべて」としています。

そこから死人でもできることは行動ではないと定義づけられています。この死人テストをパスできる活動が行動となります。

例えば、食べる、歩く、走る、話す、叩くといった死人にはできないことは行動です。

一方で、叩かれるという受け身や、静かにしているという状態、または食べないといった「~しない」という否定は、死人でもできるため行動とはいえません。

 

何を当たり前のことを言っているのか、と思わないでください。

これがとても大切なことなんです。

例えば、犬のしつけ本などでよく出てくる「吠えていない事を褒めましょう」という文章。

“吠えない”という事を褒めても、“吠えない”ことを増やすことはできません。行動ではないためです。

どのように考えるかというと、その行動をしている間は吠えないという“その行動”を褒めて増やしていく必要があります。

犬を見たら吠えるのであれば、飼い主を見るという行動を増やしていきます。飼い主を見ている間は他の犬には吠えないので。

散歩中にリードを引っ張るのであれば、引っ張らない事を褒めるのではなく、飼い主について来るという行動を褒めて増やしていきます。

 

もしワンちゃんに教えようとしている事や、変えようとしている事が“行動”ではない場合、トレーニングがうまく進まないことがあります。そんな時は「行動とは何か」という基本に戻ってはいかがでしょうか。

 

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